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2016年3月10日 (木)

「コスト削減を給食にもちこむな」 2月議会個人質問①全文

①【小学校給食調理業務委託の見直しについて

子どもたちの給食に関わる大事なこと、保護者の意見も聞かず決めていいのか

【青木】通告に従い、最初に小学校給食調理業務委託の見直しについて、教育長にお尋ねします。

 名古屋市は、給食調理員の退職者不補充の方針のもと、今年4月から、名東区の西山小学校、緑区の大清水小学校、中川区の荒子小学校の3校において、「経費的なメリットが生み出せる大規模校であること」を理由に、給食調理業務の民間委託を決定しました。その過程で、対象校の保護者には意見をたずねることもなく、計画の発表さえなされませんでした。

 今年1月から2月にかけてようやく、対象校で保護者説明会が開かれ、私も参加しましたが、父母のみなさんからは、「知らないうちに勝手に決められている、なぜ親が関われないのか」「もう決まったことだから意見も言えないのか」と不満の声が相次ぎました。

 子どもたちの給食に関わる大事なことを、保護者の意見も聞かず、一方的に民間委託を決めたうえでの「事後報告」に、このような声があがるのは当然だと思いますが、こんな決め方で良かったのですか。答弁を求めます。

変わるのは、調理作業のみ民間スタッフに任せる点だけ

教育長】今回の民間委託では、献立、食材、調理場所は現在と変わりありません。変更点は、単に調理作業に限定して、民間の調理スタッフにお任せするものです。また、その作業についても、学校に配置する栄養教諭が日常的な衛生管理等を確認しながら進めるものでございます。

 教育委員会では、保護者の皆さまに、こういった内容をお示しし、提供する給食に変わりがないことを説明して、ご意見を伺っております。

給食の民間委託すすめた自治体では、配食の遅れや品数削減が

【青木】コスト削減を第一に、給食の民間委託を進めた自治体では、さまざまな問題が起こっています。業者における不安定雇用が原因で、パートの入れ替わりが絶えず、現場のチームワークが崩れて給食が間に合わないという事態や、委託を拡大したある自治体では、業者の立場が強くなり、「手間がかかるから」と献立を規制し、品数の削減を要求するなど、給食へのシワ寄せが生じています。

 昨年、浜松市では、4つの小・中学校で、新学期から委託調理を始めるはずだった業者が、突然契約を解除。理由は「人材確保が困難」というものでした。学校では新学期のあいだ弁当で対応せざるをえないという、給食にふさわしくない事態も起こりました。コスト削減のリスクを負わされるのは子どもたちです。

 今回、名古屋市が始めようとしている調理委託について、教育委員会は「調理をする人が変わるだけで、給食の質や安心・安全になんら変わりはありません」としていますが、保護者のあいだからは、「委託業者次第ではないか」と不安の声があがっています。

 毎日の大切な給食を、子どもたちに届けるためには、確かな経験と技術、そして安定した労働環境は不可欠です。名古屋市が、どのような条件で業者を選ぶのか、雇用待遇はどうなのか、この点は特に保護者の関心が高く、契約条件の公開を求める声があがりました。しかし、教育委員会は「公開できない」と、保護者からの求めに応じませんでした。

 名古屋市は、学校給食を担うに相応しい労働環境に、責任をもつ立場ですか。そうであるならば、業者の選定にあたって、契約の条件を公開し、市民の理解を得るよう努めるべきではなかったですか。お答えください。

経験実績ある業者から選定する

教育長】今回は、安心安全な給食の提供ができるよう、学校給食の経験実績のある業者から選定する「指名競争入札」の方法により適正に委託業者を決定したところですので、ご理解を賜りたいと存じます。

入札結果の公表前に、対象校での求人広告が出回った

【青木】続けて伺いますが、業者の選定期間とされていた2月、対象校の西山小学校を4月からの勤務地とする、某食品会社の調理員募集の広告が出回っていると、保護者からの情報を受けました。ハローワークには2月15日付で、そして16日と21日付で新聞の求人折り込み等がなされ、いま私が手にしておりますのが、実際に折り込まれた広告です。

 業者の選定期間中に、落札業者と見られる会社が、入札結果の公表を待たずに対象校での求人をかけていたことを、承知しておられますか。これは適正な手続きなのでしょうか。説明を求めます。

公表前に学校名しめす求人の規制なし

【教育長】入札結果の公表前に、落札業者が学校名を示して求人することを規制する法令等はございません。今後は落札後、速やかに公表し、保護者の方への説明に努めてまいりたいと存じます。

直営の良さ見直す動きが

【青木】給食の民営化が広がるなか、改めて直営の役割を見直す動きが出てきています。給食委託の拡大を検討していた京都の宇治市では、2012年8月に襲った集中豪雨災害の時、市が避難所に届けた市販のおにぎりで、食中毒が発生したため、急きょ学校に要請があり、市の給食調理員が、330食分の弁当を作り上げ提供しました。長年の経験と技術、そして身近な職員でこそできた迅速な対応でした。これによって直営体制の役割が再認識され、宇治市は委託拡大を中止しました。大規模災害への対策を強化している名古屋市も、緊急に備えて、直営体制の果たす役割について再検討すべきではないでしょうか。

 給食は、調理員と学校が、ともに育むチームワークあってこそです。子どもたちの命に関わるアレルギー対応食、その児童に確実に手渡すまで、学校全体での連携が欠かせません。このことは昨年11月議会で、わが会派のさはし議員がうったえました。

 先日19日、児童のお母さん方が河村市長を訪ね、給食調理委託の見直しを求める申し入れが行われ、請願署名14000筆余りが提出されました。「子どもたちの成長に欠かせない給食は、名古屋市が一貫して責任を持って欲しい」この願いは、食の安全が問われている今、市民に広がる切実な願いです。名古屋市は保護者の願いに真摯に応えて、給食調理の委託を、踏みとどまるべきではありませんか。答弁を求めます。

安定的に責任もつため調理業務の委託は必要で有効

【教育長】安心安全で安定的に、責任もって給食を提供するためには、調理業務委託が必要かつ有効であると考えており、教育委員会といたしましては、今後も引き続き、小学校給食を責任もって提供してまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。

パートの求人時給は最低賃金で経験不問(再質問)

【青木】続いて、教育長に、それぞれお答えいただきましたが、再度お尋ねします。

 保護者の皆さんが、感じている不安には根拠があります。今回の落札業者の求人ですが、保護者が見つけて本当にびっくりされたんです。「自分たちには情報公開もされない内に、こんな広告が出回ってる」と。教育委員会は、こんな募集広告の出し方は問題だと、指導したと伺いましたが、業者は従わなかったのですか。

 しかも、この広告を見ますとパートの時給は820円。最低賃金です。「経験求む」とも書いていない。教育委員会は「調理スタッフが変わるだけで、経験と実績ある業者に任せる」と強調されますが、それぞれの実績や経験はこの求人からは見えてきません。それで4月からの給食に間に合わせようというのですから、保護者が不安を募らせるのも当然ではないですか。これで安心・安全と言えるのでしょうか。教育長の答弁を再度求めます。

保護者への説明さらに丁寧に行う

【教育長】公表前に落札業者が募集することを規制する規則はございませんので、今後の改善策としましては、教育委員会ができるだけ早く公表していきたいと考えております。

 委託後も、教育委員会の指導のもと、献立や緊急時対応、アレルギー対応などについても、変更なくやってまいります。また、栄養教諭が日常的な衛生管理等の業務を確認しながら作業を進めること等について、これから保護者の皆さまへの説明をさらに丁寧に行い、責任をもって小学校給食を実施してまいりたいと思いますので、ご理解賜りたいと存じます。

市長に保護者の願い、受け止める決断を

【青木】教育長のお答え、これまでの答弁と全く変わらず、たいへん残念です。ここで最後に河村市長にお聞きします。

 市長は、先日19日の申し入れの時、給食の民間委託はやめて欲しいという、お母さん方の切実な願いを聞いておられました。あの時、提出された請願署名は14,000筆でしたが、もうすでに22,800筆を超えました。給食の直営・自校式を守って欲しいという声は、対象校だけでなく、今や全市的に広がっています。市長が力を入れておられる「チーム学校」でも、栄養教諭や給食調理員は、子どもたちを見守る一員として欠かせない存在です。学校が一体になって育んできた、せっかくのチームワークが、給食民営化によって、大きく変えられようとしているんです。ここを変えて欲しくないという声も、市民の皆さんからたくさん寄せられています。子育てと食育は一体です。安心はコストに代えられません。市長には、保護者の皆さんの願いを正面から受け止めていただき、給食調理の民間委託を踏みとどまっていただきたい。市長の決断を求めます。

民間業者の努力ものすごい(市長)

【市長】私は零細企業出身ですから、あなた方、なんでそんなに公務員が好きなんですか。よう分からんです。おいでになった方は、ご苦労さんでございますけど。   
そりゃあ民間の業者のが、安くてうまくて安全なもの作るという、ものすごい努力ですよ。公務員は失敗しないんですか、ほいじゃあ。どうも、わし、よう分からん。ほいじゃあ、フグ料理さん、なんで公務員にしないんですか。そうでしょ。あんまり公務員の味方ばっかりしていても、しょうがないですよ、本当に。以上でございます。

コスト削減が目的の民営化を給食に持ち込むのは問題(意見)

青木】私どもは、民間活力そのものを否定してはおりません。しかし、その導入の一番の目的がコスト削減である以上、その理屈を、子どもたちの給食に持ち込むことは問題です。

 いま市長が崩そうとしているのは、直営・自校式の給食の伝統です。このことを、よくお考えいただきたい。時間もありませんので、引き続き委員会の審議に委ねたいと思います。このままでは、市民の納得は得られないということを、強く申し上げて質問を終わります。

 

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