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2016年12月 1日 (木)

「いじめのない学校と社会について」11月議会本会議質問①

昨年11月1日、西区の中学1年生が「いじめ」を苦に、自ら命を絶った日
から1年が過ぎ、今年9月に事件の検証報告書が発表されました。

私はこの間、尾木直樹氏を迎えた党市議団主催のシンポジウムや、亡く
なった生徒の学区、教員らの聴き取りを経て、「いじめ」による悲劇を2度
と繰り返してはいけない、という決意で29日の本会議質問に立ちました。

質問の前半部分をここに掲載いたします。
録画もこちらでご覧いただけます。↓
【名古屋市会インターネット中継】
http://www.nagoya-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=gikai_result&gikai_day_id=205&category_id=4&inquiry_id=1072


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2016年11月29日 
11月定例会 個人質問「いじめのない学校と社会について」前半

いじめ対策検討会議の報告書は遺族の願いに応えているか

【青木議員】通告に従い、教育長に順次質問いたします。
 昨年11月1日、西区の中学1年生が「いじめ」を苦に、自ら命を絶った日から1年余りが過ぎました。改めて、亡くなった生徒のご冥福を心からお祈りし、このような悲劇を二度と繰り返してはいけない、その想いをこめて質問します。
 
 この事件は、「いじめ」が疑われる重大事態として、教育委員会の付属機関「名古屋市いじめ対策検討会議」により、昨年11月以来、9カ月余りに渡って調査が行われ、今年9月、その検証報告がまとめられました。
 この報告書について、いくつかの角度から、疑問に感じた点も含め、検証の内容にふれて行きたいと思います。

 この報告書は、中学生の自死は、学校における「いじめ」がその要因のひとつとは認定しました。亡くなった生徒は「学校や部活でいじめが多かった。もうたえきれない」と、遺書のなかで訴えましたが、報告書は、生徒が苦痛を感じていたことは明らかとしつつ、「生徒に対するいじめ行為は、一つずつを見るならば、必ずしも重大なものというわけではないかもしれない」とも示唆しています。
 
 報告書を受け取った遺族は、報道取材のなかで、次のような感想を寄せました。
「調査に期待もしていましたが、死につながるようなひどいいじめは見当たらない、というものでした。足のすくむ恐ろしさを押してまで死に向かわせた理由を知りたくてなりません」
  私は遺族の言葉にふれて、率直にこう思いました。この報告書が「真相を知りたい」という遺族の願いに応えているだろうかと。  
 
 そこで、教育長にうかがいます。このたびの検証報告書に寄せられた遺族の言葉をどのように受け止めておられますか。お聞かせください。

関係者に直接聞き取り、できる限り事実を明らかにした(教育長)

【教育長】今年9月に公表した報告書は、名古屋市いじめ対策検討会議の委員の皆さんが関係者に直接聞き取りを行い、計15回にわたる会議を重ね、できる限り事実を明らかにしたものでございます。  
 
 ご遺族に対しましては、教育委員会より会議の開催ごとに、調査の進捗状況についてご説明をし、ご理解をいただいてまいりました。  
 
 ご遺族のコメントや私自身直接ご遺族にお会いした際にも、最愛の家族を失った遺族の悲しみは胸に迫るものがございました。このようなことを二度と繰り返してはいけないという決意を新たにしたところでございます。

「見えにくいいじめ」への対応のあり方は

【青木議員】西区の事件について検討委員会は、いじめが「見えにくかった」と検証の難しさを振り返りました。それは、「生徒に対するいじめ行為は、一つずつを見るならば、必ずしも重大なものというわけではないかもしれない」、この表現に集約されています。
 
 それだけに、一見、重大に思えないような「いじめ」にどうやって気づけるか。学校現場では、子どもと教員が向き合って、ゆったりと細やかにつながることが一層求められます。子ども理解を基本に、学校が一体で取り組まなければ、「見えにくいいじめ」を再び見逃すことになりかねません。
 
 亡くなった生徒の学校では、担任を含む学校全体として、クラスや部活動での「いじめ」の実態把握と情報共有が不十分で、問題の深刻さに気づく体制がとれていなかったと、報告書は指摘していますが、「見えにくいいじめ」にどうやって気づけるか、対応が学校任せになってはいませんでしたか。

 「見えにくいいじめ」への対応のあり方について、教育委員会のこれまでの取り組み、そして、この報告書の検証と指摘を受けて、今後取り組む施策について、具体的にお示しください。

点検活動表、学校生活アンケートを活用し対応を検討(教育長)

【教育長】今回の報告書を受け、「提言を踏まえた点検活動表」を全教職員に配布し、市内全校において自校の取り組みポイントを洗い出し、対応策の検討を行いました。  

 また、学校生活アンケートの2回実施による効果的な活用を進めるとともに、子ども応援委員会をはじめとする専門職と連携した体制の充実に努めてまいりたいと考えております。

部活動のあり方、どのように改善していくのか

【青木議員】「いじめが見えにくい」という点では、2013年南区で起きた中学生の転落死事件に同じく、西区の「いじめ」の場も部活でした。

 報告書によれば、亡くなった生徒は部活の競技が好きで真面目かつ熱心でしたが、部活では、成績が芳しくなかった生徒に対する悪口があったうえ、勝ち負けや成績に関わる嘲笑的な言葉が、この生徒に対してだけでなく、日常的に飛び交っていたようです。
 当時、部員のあいだには亡くなった生徒が深刻に受け止めていたという意識がなかったこと、また、顧問により練習や部員生徒の様子に十分な目が届いていなかった点も背景として指摘されました。

 そこでおたずねします。部活動のあり方について、教育委員会としてこれまでどのような通達で、学校現場を指導してきましたか。併せて、検証報告書の指摘を受けて、今後どのように改善していくのかお示しください。

劣等感を抱くことのないよう指導の徹底を求めた(教育長)

【教育長】部活動については、これまでも、学校、保護者あてにリーフレットを配布し周知してきたところですが、今回の事案を受け、子どもが劣等感を抱くことのないよう、人間関係に留意した指導を徹底するよう各学校に求めたところです。

いじめ再発防止の提言「少人数学級」に向けた努力は

【青木議員】子どもたちの「SOS」を見逃さないために、学校現場はどんな体制でのぞむべきでしょう。
 この報告書は、いじめの再発防止に向けた提言の第1項に、「子どもたちを多くの目できめ細かく見守るという点では、1人の教師が担任する児童生徒数を少なくすること、すなわち少人数学級も有効な施策である」と述べたうえで、「名古屋市がこれら人的配置の充実を図ってきていることには理解と評価ができるものの、学校現場の実態と要望を比較してみる限り、まだまだ十分というには程遠い水準である」と、かなり踏みこんだきびしい指摘をしています。

 南区の報告書でも、「本市並びに教育委員会は、教師が生徒と向き合う時間を確保し、生徒たちの学習・生活両面の成長を図る視点から、中学校2年生の35人学級編制を早期に実現できるよう最大限努力すべきである。また、学校状況に応じて、きめ細やかな指導体制がとれるような加配の仕組みも必要である」と具体的な提言を行っていました。

 この2つの提言でも指摘されていますが、「中学校2年生の35人学級の早期実現」に向けてどのような努力が行われたのか、きめ細やかな指導体制という点では、どのような仕組みをとられてきたのかおたずねします。また、教育長は、「学校現場の実態と要望を比較してみる限り、まだまだ十分というには程遠い水準である」という認識をお持ちですか? お聞かせください。

35人学級の拡大は財源の確保や環境整備などの課題が(教育長)

【教育長】35人学級の中学校2年生への拡大については、財源の確保や教育環境の整備などの課題があるととらえております。

 こうした中、本市においては、きめ細やかな指導体制をとるための支援策として、子ども応援委員会を設置し、専門職であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員を図ってきたところです。  

 また、教職員の増員をして欲しいという学校現場の要望に対しましては、非常勤講師や発達障害対応支援員等の配置に努めてきたところでです。

県費負担教職員の権限移譲を機に教員増を

【青木議員】この報告書では、少人数学級の実現など人的体制の充実を求めたうえで、「子ども応援委員会」の積極的な活用が望まれると述べています。
 
 子どもたちを見守る多様で専門的な目は必要です。また、いじめへの気づきの手段として、ハイパーQUテストもあるでしょう。しかし、子どもたちと直接関わり、学びと育ちを毎日支えているのは、担任の教員です。この教員のちからが十分に発揮されてこそ、いじめ防止のさまざまな取り組みが活かされるのではないでしょうか。

 今年はいじめ対策法の施行3年にあたり、見直しの提言が先日まとめられましたが、そのなかで教職員の日常業務の膨大さが指摘され、対応として教職員定数の改善や部活動の休養日の設定など負担軽減を図るなかで、いじめへの対応を最優先に位置づけることとしています。

 本市の学校現場はどうでしょうか。昨年度の調べでは、市内中学校の全教職員のうち、時間外の在校時間、すなわち時間外勤務が月80時間を超えた教員は、実に44%以上です。80時間はいわゆる「過労死ライン」と国が定める通り、一刻も放置できない状態です。

 いま、行政に求められているのは、学校現場の多忙化を早急に改善し、教員が子どもたちにしっかりと向き合える環境を整えることです。
 
 来年からは、教職員の県費負担が名古屋市に権限移譲されます。 この機会に、教員の多忙化解消の抜本的な対策として、教員の増員に向けた具体的な方策を示すべきです。教育長の明快な答弁を求めます。

教員定数の拡大を国に求めていきたい(教育長)

【教育長】多忙化対策の一つといたしまして、権限移譲を契機に、教員定数の拡大を国に求めてまいりたいと考えております。

(後半へつづく)

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